戦国時代の木と向かい合う |
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ローゼンクランツの初期製品を十年以上も前からご愛顧頂いておりますM.Nさんが、代々続いた築200年の古い建物を取壊し建て直す事になりました。
使っていた梁や柱の年輪を数えてみたところ、200年を越えて刻んでいたそうです。建物の年数と合わせるとその歴史は何と400年にも及びます。戦国の時代、関が原の合戦があった頃になります。
”電気の無い時代の古木を使った部屋でオーディオを楽しむ”
”こんなロマンがありますでしょうか・・・”
このような仕事をさせて頂くことは、私の長いオーディオ人生でも恐らく最初で最後でしょう。そんな大役を果たす事が出来るのか?、そんな不安が入り混じっても不思議ではないはずなのに、プレッシャーも感じず至って平静でいられます。
そんな自分がいい加減な奴なのか?、それとも凄い事なのか?分かりませんが、ごく普通に構えていられます。私は経験した枠の中でしかやりませんので、滅多な事には失敗はありません。実の事を言うと、失敗をしないのではなく、それを成功の糧と考え、先回りしてでも人の何倍もするようにむしろ買って出ているのです。
事前に送って下さった写真を参考に作戦を練ります。一番問題となる所はオーディオラックとスピーカースタンドです。オーディオラックに於いては、ローゼンクランツから強力な新製品が完成したばかりでしたので、組んだ状態で持ち込む事にしました。
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どう攻略するか天井とにらめっこ |
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新築されたばかりの古民家作りの立派なオーディオルームに通されても、私は機材には目もくれず、不思議と天井の梁の組み方ばかりが気になり見ていました。
竹とわらで組んだ厚い土壁と相まって、静寂な空間を肌に感じました。ろうそくでの明かりが当たり前に思える武家屋敷にいるそんな感じです。
この部屋とオーディオをドッキングさせるとなると果たしてどんな音になるのだろうか?と興味を覚えつつ、M.Nさんに私のイメージを伝えます。
「出来るかどうか分かりませんが、数百年に渡って数え切れない人達の生活を支え、そして見て来た、立派な梁や柱と共鳴するような音を作り出したいと思っておりますが如何でしょうか?」。
『私もそう希望しておりますので、よろしくお願いします』
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現実の音はと言うと・・・ |
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何はともあれ、現状の音を聞かせて頂かなくては何も始まりません。オーディオシステムとしては大変シンプルで、上手くまとめられているものの、予想通り冴えない音でしか鳴っていませんでした。
大型ホーンの良さは出ていません。ゴツイ合板から削りだしたホーンに、ガチガチに固めたエンクロージャーですから音が解き放たれないのです。もっとスピーカーを楽器のような扱いをしてやるべきだと思います。
日本のオーディオの悪いところがもろに出ている典型です。ようするにクソ真面目に作りすぎているが故の面白くも何ともない無表情な音です。何と言ってもスピーカースタンドを含めたスピーカーのコンディションが悪過ぎます。
やぐら風に組んだ木製のスタンドは、連結巾木が振動のループを作るのが問題です。逃げ場に迷った振動がいつまでも残った状態でこれでもかと音を濁らします。
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苦労の後が見えます |
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スピーカーとスタンドの間に挿入した複数のウッドブロックやカーボンが更に振動の迷走に追い討ちをかけます。だから当社のインシュレーター(PB-REX)を使っていても、その良さの半分も出ていません。音楽振動が迷走に迷走を繰り返しているからです。
途中に休憩を挟んだ時に、オーディオルーム以外の部屋であり、庭なども案内して頂きましたところ、家の周りの山の自然との調和を良く考えられていて、筧のしずくの音一つとっても細やかな配慮がなされております。
M.Nさんは、視覚、聴覚、味覚等多彩な感性の持ち主です。これほどの人であっても、何がどう関係し合って音がどう変化して行くのか、全くもってその正体を掴みあぐねているのが良く分かります。オーディオ機器を駆使しての音楽表現の完成とはかくも難しいものであります。
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長期的な視野に立って音の完成を目指します |
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当初からスピーカースタンドは部屋を拝見した上で特注で作る予定でいました。また、広島に帰る度に何度も伺って、じっくりと完成に向けてセッティングする考えでもいましたので、私自身が不安になるような事はありません。
つい数日前に軽井沢で山小屋風の部屋でセッティングをした時とは正反対の結果です。その時はスピーカーの下にGiant Baseを入れただけで素晴らしい音になりました。
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一筋縄では行きそうも無い今回のセッティング |
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それに比べて今日の場合は、スピーカーのセッティングを後回しにして、ラックから先に攻めたのも原因の一つでしょうが、それを差し引いても費用対効果は非常に少ないと感じる音の変化でしかありません。
今回はアンプのAカーブボリュームのように、最後にグッと音量が上がるような後半重視の仕事になります。初めてのお客さんでしたら、このアプローチ法ではお金が掛かるわりには効果がなかなか現れないので何も買って貰えないでしょうね・・・。
この度は施主さんの信頼と寛大さによって、何事も無くスルーして頂けたものと思います。こんな風にしてお客様に育てられて今日があります。感謝、感謝です。
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機器に合ったインシュレーターのチョイス |
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第一回目に施した主な内容としては、スピーカーを除く各コンポーネントの役割を考えて、それぞれに最適なインシュレーターを組み入れました。
エソテリックP0には専用に開発した RK-P0
その電源部には沸き上がるような音の PB-CORE
DAコンバーターには繊細さが売りの PB-REXIV
プリ本体部の細部に亘って情報を最大限引き出す PB-BIGII
電源部にはうねるような躍動感の PB-BOSS
パワーアンプにパワーと精巧さを併せ持つ PB-BIGII
一つ追加する毎に音の見晴らしが良くなっては来るものの、スピーカーの設置のコンディションが良くないので本来の30%の能力しか出て来ません。
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スピーカーのエネルギーの方向性を揃える |
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微増の変化にしびれを切らし、次回の予定に考えていたスピーカーの加速度組み立てまでやってしまいました。ボイスコイルから繋がっているナマズのひげを見て頂くと分かりますが、Exclusive2404の場合、上に向いていたのをホーンの中音部と音が繋がるように左のウーハーを時計方向に120度、右を同じく45度回して取り付け直しました。
途中ユニットがなかなか外れず、ヒートガンでユニットのフレーム部分を暖め、ハンマーでガスケット部分に振動を与えてやっと外れました。大きいユニットは大変です。
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特別誂えのネットワーク配線 |
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本日最後の仕事は、Exclusive2404用に特別に作ったネットワーク周りの配線を交換しました。それと、カイザーサウンドのお家芸である、ネジの加速度組み立ても当然施します。写真にあります20数個のネジとワッシャの相性を診て配置換えし、トルクコントロールします。
この加速度組み立てと言うのは楽器の調律と何ら変わりません。これがかなり効いて、次に楽しみを持って頂けるまでの音に何とかなりました。
次回は約1ヵ月後に特注スピーカースタンドを持ってセッティングです。それで振動に対するセッティングが一段楽する予定であります。
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2度目の訪問・・・(特注SPスタンドの納品) |
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特注SPスタンドが出来上がったので、2度目のセッティングに伺いました。その頃私は腰痛を悪化させていたので、M.Nさんのオーディオ仲間のJ.Mさんと息子の手を借りて何とか無事に設置出来ました。
大方の方が間違いを犯しているのは、スピーカーの真後ろにモノラルパワーアンプを置いてある点です。これはスピーカーが発する音楽振動の前後の動きにブレーキを掛ける事になるので、音楽の流れを止めてしまいます。
写真のように左右のスピーカーの間に配置換えしました。重要なのはスピーカーの発する振動の起点と同期が取れる場所にアンプを置いてやらなければなりません。これが出来ない人はオーディオのセッティングを請け負う資格はありません。
実の事を打ち明けますと、オーディオ業界の95%の人はスピーカーの位置決めすら出来ません。これは誰の言葉でもありません。私があらゆるオーディショーを通して感じたことですから紛れも無い事実であり真実です。
音を聞けば一発で分かります
要するに音楽の体を成していないのですから
やっと、エラ・フィッツジェラルドの歌声が魅力的かつ流麗、そして、歌の際立った上手さが解るようになりました。M.Nさんはこの時代のジャズボーカルが特にお気に入りとのこと。
同じスピーカーとは思えないほどの変化です。オーディオの一番肝心な部分が、スピーカーのセッティングである事をまざまざと見せつけられた瞬間であります。
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大型スピーカーは”こうして鳴らす!”の手本のようなもの |
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スピーカースタンドとPB-BIG、スタンドのスパイク部分と床との間にGiant Base。この三種の神器がどれほど素晴らしいか実に惚れ惚れします。この凄さを今だ知らないオーディオファンの人達に何とか届かないものか・・・。じれったい気持ちです。
大型スピーカーをお持ちの方には是非お勧めしたいセットです。振動の受け止めに対して圧倒的なゆとりが生まれたので、今度はスピーカー自体のコンディションの問題点が浮き彫りになります。
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スピーカーの加速度組み立て再調整 |
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2404のホーンはエンクロージャーに囲われているので、特にホーンの魅力的な響きが抑制された鳴り方です。その魅力を引き出す為に、ホーン開口部のネジの加速度組み立てを施します。
前回施工済みのウーハーのエネルギーとホーンの鳴りっぷりが合ってきました。でも、もう一つ箱全体との釣り合いが気になります。
背後に回ってネットワークボードのネジにも加速度組み立てのメスを入れました。ここは恐ろしいほど音の変化が現れます。スピーカーの背後から調整しているにも関わらず、その変化が手に取るように判るのです。
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思い入れのあるステレオ |
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また、スピーカーの正面に座って音楽を聴いておられるM.Nさんにも、”ネジの調整一つでこんなに化けるのか”といった、驚きと嬉しさが合体した反応が見えて取れます。
『十数年前に苦労してローンで手に入れた思い入れがあるので、何としてでも持てる力を開花させてやりたい』と言う本音を口にされました。その思いが今実りつつあります。
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クリニックの最終章 |
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これでほぼ音の周波数バランスとエネルギーバランスが揃って来ました。メロディー良く音楽が流れ始めましたが、あと一点気になるのが、縦ノリのテンポとリズム感です。これが解決出来ず残ったままです。
その原因が何処にあるのか?。それを解って頂く為にローゼンクランツの超ハイエンドに位置する試作中のスピーカーケーブルに換えて聴いて頂きます。
今お使いのケーブルは情報量こそ目を見張るものがあるのですが、リズムやテンポに問題が有り過ぎです。得意と苦手が両極端の代表格です。分かってはいても、高価であろうケーブルの駄目出しをしなくてはならないのは心苦しいものがあります。
でもハイエンドのシステムの調整を預かるという事は、その結果を保証しなくてはならないので、ありのままを述べるしかありません。その鳴り方の変化で、今使っているスピーカーケーブル及び信号ケーブルに問題がある事を納得頂けました。
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スピーカーアタッチメントの進化 |
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今回のM.Nさんには徹底してやり遂げたいという強い思いがひしひしと伝わって来ます。信号ケーブルにおいてはプリパワー間が7メートルほどありますので、試聴して頂く事が出来ません。
それを何とか解って頂く格好の方法を思いつきました。今お使いの10年以上前のスピーカーアタッチメントと、現行モデルとの違いがどのようにあるのか?。
付け替えて聴くその音の違いは想像を大きく超えたものでした。2404はその点が急所なのかもしれないと思えるほど良くなりました。
わずか52.5ミリの中のケーブル配合だけで、大きく変化するケーブルの謎であり能力差、そしてカイザーサウンドのここ10年の進化ぶりを見て頂けた瞬間です。
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次回に向けてハイエンドケーブルを開発します |
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かくしてスピーカーケーブルと信号ケーブルは最新型のモデルに変更する事になりました。スピーカーケーブルに至っては試作中でもあるので、東京に戻ってから設計図を新たに書き上げ完成させる必要があります。
大山です
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次回訪問までには1ヶ月半ほどあるので、何とかなるでしょう。
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3度目の訪問
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信号ケーブルとミラクルサウンドスクリーンの納品 |
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今回はローゼンクランツのケーブルの中でも最高級グレードのピンケーブル(Ocean&MessageII)の新製品と、スピーカーケーブルSP-RGB3の後継機となるNew Modelの納品です。
バラード調の曲は結構いい感じで鳴っていた前回までの音でしたが、テンポの良い曲になるとまだまだ楽しめるレベルではありませんでした。ピンケーブル(Ocean&MessageII)に変えると、さすがローゼンクランツのトップモデルだけあって申し分ない音になりました。音楽のグルーブ感がまるで違います。
とても同じスピーカーとは思えない素晴らしい音楽を奏でております。ハイエンドの中のハイエンドと言える(○A○)をぶっちぎりで引き離してしまいました。我ながら素晴らしいと思います。
実力の伴わない高級ブランドケーブルが何と多い事か・・・。今それが明らかとなった訳ですが、同じケーブルを使っている人が仮にこの現場に立ち会っていたとしたら、衝撃とともにがっくり肩を落とすのではないでしょうか。
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ケーブルの能力に合わせた控え目なセッティング |
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前回までは嫌な音がしないように、そのケーブルに合わせる控え目のセッティングを余儀なくされましたが、電気の時間軸が揃った今では遠慮なく攻めのセッティングに変えられます。
読み通りどこまでも応えてくれそうな鳴り方を見せてくれます。正に役者が揃った感じです。これで遠慮することなど一切なくなったので、3番手位の位置にセットしていたスピーカーを、一番実力が発揮出来るポジションに合わせ直します。
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気流の動きと床の振動の両睨みで合わせ込みます |
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これぐらい重たいスピーカーやアンプになりますと、スピーカーが動かす空気の波動に合わせるだけでは片手落ちです。床の振動パターンに根太以外の節でありポイントが出来ますので、それにも同期を取る必要が出てくるのです。
これが音楽のリズム感の良し悪しを決める重要なファクターになります。ここまで見切ったセッティングが出来るのは、世界広しと言えど”カイザーサウンド”だけであります。
家財道具や部屋をもオーケストラの一員に取り込む、この渾然一体となった音楽シーンを体験すると、今までのオーディオの常識が根底から覆されます。音楽ファンの皆さん!、是非ともカイザーサウンドのセッティング技術に目を向けてみて下さい。
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ミラクルサウンドスクリーンの威力 |
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何年振りでしょうか?、ミラクルサウンドスクリーンの納品は・・・。これだけ大掛かりな商品は簡単に持ち込み試聴して頂くのは大変ですから売れるきっかけが極端に少ないのです。
M.Nさんの巨大な梁を中心とした建物を、その骨組みから揺るがすように鳴らすのは困難を極めますが、このミラクルサウンドスクリーンを入れた途端に潮目がコロッと変わりました。
どこまでも伸びやかに部屋中に音楽が充満します。まるで魔法にかけられたかの如く雄大で豊かな空間が誕生しました。数百年生き抜いて来た巨大な古木とオーディオが融合した瞬間でした。
歌声、楽器の音色
もの凄く生々しいです
やっと大役が果たせた!
そんな安堵した気持ちになれました
もちろんM.Nさんの顔はほころんでいます
貴重な勉強の機会を与えて頂き感謝申し上げます
その後、数日おきに電話で音の変化具合を教えて頂いております。
『ミラクルサウンドスクリーンの威力は本当に凄いですね!』。
『左右から回り込む音と共に空からも音が降ってくるんです』。
「そうですか!そこまで良くなって来ましたですか」。
当初の読み通りの音になりつつあります。海の水が上昇気流となって空に雲が出来ます。やがて雨となって落ちるサイクルを繰り返しますが、その自然界と同じような現象が音の面で起こっているのです。
ミラクルサウンドスクリーンが上昇気流を起こし、丸太棒の梁が球面波のパターンで音を降り注ぐのです。正にその名が表わすとおりの”ミラクルサウンド”であります。
興味を持ってそのポールに耳を近づけると、僅かに震えているのが分かるそうです。我ながら凄い物を作ったと感心しています。電源タップのナイアガラと同時期に勢いで出来た作品です。今でもこれを超えるイメージは湧くものではありません。
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